KDDIとジェノバ、高精度測位情報配信サービスの提供に向けた業務提携契約を締結

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  • KDDI株式会社
  • 株式会社ジェノバ

2020年4月24日

KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 高橋 誠、以下 KDDI) と、GNSS (該当項目へジャンプします注1) による高精度測位情報配信業者の株式会社ジェノバ (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 河野 芳道、以下 ジェノバ) は、両社の技術基盤を活かした誤差数センチメートルのリアルタイム測位が可能な高精度測位情報配信サービスの提供に向けた業務提携契約を2020年4月15日に締結しました。

<業務提携イメージ図>

昨今、IoTの広がりや測位技術の発達により、位置情報を利用したさまざまなサービスが拡大しています。また、正確な位置情報が重要となる建設現場における建機の遠隔操縦や自動運転などの分野では、従来のGPS単独測位の精度に課題があり、これらを解決する誤差数センチメートルの高精度測位技術への期待が高まっています。

ジェノバは、GNSS測量・測位の補正情報配信に関する特許技術 (該当項目へジャンプします注2) を保有しており、国土地理院が全国に設置している約1300点の電子基準点網を活用した仮想基準点方式 (該当項目へジャンプします注3) により、リアルタイムにデータを収集・解析しGNSS測位に適したネットワーク型の補正データを配信しています。ジェノバの配信するデータとお客さまのGNSS受信機で観測したデータを組み合わせ、リアルタイムに誤差数センチメートルの高精度測位が可能です。

<仮想基準点方式によるデータ配信イメージ>

KDDIは、これまでにIoT・5Gの活用が期待される自動運転や、建機の遠隔操縦といった位置測位が重要となる領域の実証実験 (該当項目へジャンプします注4) を実施し、位置情報を組み合わせた新たな価値の創出に取り組んでいます。また、全国に設置された電子基準点のリアルタイムデータの配信を支える通信網を国土地理院に提供しています。

KDDIとジェノバは、両社の技術基盤を活用することにより、誤差数センチメートルのリアルタイム測位が可能な高精度測位情報配信サービスについて、農業・自動運転・防災・防犯・災害復旧・インフラ点検などIoT・5Gの活用が期待されるさまざまな新規領域で、早期の提供を目指していきます。

なお、両社は取り組みの一環として、兵庫県におけるドローンを活用した森林資源量調査 (該当項目へジャンプします注5)、および太陽光発電システム構築における地形データの測量において、高精度測位情報配信サービスを活用しています。

詳細は別紙をご確認下さい。


<別紙>

■高精度測位サービスを活用した森林資源量調査

1. 概要

兵庫県 (知事: 井戸 敏三) と神戸市 (市長: 久元 喜造) が連携して進めている「ドローン先行的利活用事業」のうち、「ドローンを用いたレベル3飛行による森林資源量調査の実施」をKDDIと国際航業株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 土方 聡) が共同で受託しています。2020年2月26日に実施した、無人地帯での補助者なし目視外飛行 (レベル3飛行) による森林資源量調査において、KDDIとジェノバは高精度測位情報配信サービスを活用しました。

2. 調査内容

樹高や立木本数調査などの森林資源量調査 (現在は森林に立ち入り、直接計測などにより実施) について、以下の2点を検証しました。

(1) ドローンを用いた空撮調査の優位性 (安全性、効率化、高精度化)

(2) レベル3飛行による遠隔地調査の効果

3. 調査目的

兵庫県庁 (神戸市) から約70km離れた宍粟市のドローンを遠隔操作し、同市の森林を高精度測位情報配信サービスを活用した位置精度が高い画像で撮影することで、森林資源解析用データの効率的な作成に寄与することを確認しました。

<調査場所/兵庫県宍粟市一宮町染河内地区>

■太陽光発電システム構築における地形データの測量

1. 概要

京セラコミュニケーションシステム株式会社 (本社: 京都府京都市、代表取締役社長: 黒瀬 善仁) が建設を予定している栃木県大田原市の太陽光発電システム構築現場において、KDDIとジェノバは高精度測位情報配信サービスを活用したスマートドローンによる写真測量を実施し、その効果について確認しました。

2. 実施内容

KDDIのスマートドローンプラットフォーム (該当項目へジャンプします注6) を用いた写真測量の実施、および既存測量手法との位置精度・実施コストを比較しました。

3. 実施結果

取得した空撮データより、3Dモデルを作成し土量計算を行うための施工管理に必要な等高線データの作成を行いました。また、既存手法である航空レーザー測量と比較して、同等の測量精度を約2割のコストで実現可能であることを確認しました。

ドローン測量による3Dモデル復元、等高線データ


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