TNFD最終提言v1.0を参照した「TNFDレポート」を更新

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2024年3月29日

KDDI株式会社

~TNFDレポート2023 v1分析結果に基づいた現地調査実施、自然などにかかわるステークホルダーダイアログ実施~

KDDIは2024年3月28日、自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures、以下 TNFD)(該当項目へジャンプします注1)が発行したTNFD最終提言v1.0(該当項目へジャンプします注2)を参照し自然資本や生物多様性に関するKDDIの考え方を示す「TNFDレポート」を更新し、「TNFDレポート2023 v2」(以下 本レポート)を公開しました。
KDDIは本レポートの公開による積極的な情報開示を進め、事業上のリスク低減やビジネス機会の創出に取り組み、生物多様性保全の課題解決を目指します。

<TNFDロゴ>

■本レポートにおける主な更新内容

1. 通信拠点周辺の生物多様性に関する追加検証

2023年12月、KDDIが運用する基地局・データセンターなどの通信拠点を対象として、周辺の環境を分析し、植物の外来種・希少種の分布を推定・評価することで、優先的に対応を検討すべき重要な拠点を特定しました。今回は重要な拠点を対象に、2つの追加検証を行いました(以下 本検証)。結果をもとに、生態系への影響を低減するための対応を多面的に検討していきます。なお、本検証は、株式会社バイオーム(本社:京都府京都市、代表取締役:藤木 庄五郎)とともに実施しました。

  • (1)

    外来種植物の生息状況について現地調査

    2024年1月、徒歩による任意踏査(調査対象地内を任意に踏査して、生物相を明らかにする調査手法)を行い、重要な拠点の周辺における外来植物の生息状況を確認しました。今回は、降雪の影響を比較的受けにくい近畿地方の2拠点を対象としました。

    <現地調査で確認された外来種植物の例
    左からオオオナモミ、アレチヌスビトハギ、オオアレチノギク、セイタカアワダチソウ>

  • (2)

    動物を対象とした評価

    通信事業においては、先に検証した植物群集への直接的な影響だけではなく、植物の群集構造の変化が動物に与える間接的な影響も考えられます。特に昆虫のチョウ目に含まれる種は、そのほとんどが幼虫の期間に植物を餌として成長するほか、食草として特定の植物に依存するものも多く見られ、影響が大きいことが予想されます。
    そこで、重要な拠点を対象に、追加でチョウ目の分布を推定・評価することにより、通信事業が生態系に与える影響をより包括的に検証しました。

2. 農林中央金庫(エグゼクティブアドバイザー 秀島弘高氏)とのステークホルダーダイアログ実施

2024年3月、農林中央金庫エグゼクティブアドバイザー(TNFDタスクフォースメンバー)秀島弘高氏とKDDIの自然関連の取り組みなどについてのステークホルダーダイアログを開催しました。
KDDIは、さまざまなステークホルダーとの対話を通じて得られた意見を真摯に受け止め、課題解決に向けて取り組みます。なお、ダイアログの内容は本レポート巻末に記載しています。

<ダイアログ後の集合写真>

「TNFDレポート2023 v2」の詳細はpdfファイルをダウンロードしますこちら(3.9MB)をご参照ください。

KDDIは今後も、パートナーとともに生物多様性をはじめとする社会課題解決に向けた取り組みを推進していきます。

(参考)

■KDDIの生物多様性に関する主な取り組み

■TNFD設立の経緯

昨今、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に続く、自然に関する依存関係、影響、リスクおよび機会に関する企業のリスク管理と開示枠組みを構築するために設立された国際的組織TNFDの動きが加速しています。
TNFDは、自然関連のリスクと機会を管理し、情報開示するための枠組みを開発・提供する国際イニシアティブで、英国の非政府組織(NGO)であるGlobal Canopy、国連開発計画(UNDP)、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)、および世界自然保護基金(WWF)により2020年9月に立ち上げられました。企業や金融機関に自然に関連した情報開示を促し、世界の資金の流れを自然環境にとって負の影響を与える結果から良い影響をもたらす方向に移行させることを目指しています。


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