2017年3月22日
KDDI株式会社
この度、KDDIは、聴覚障がいを持つ学生へのIT教育による就労支援と、聴覚障がい者が日常生活で抱える課題 (自動車運転中に緊急車両のサイレン音に気が付かない) の解決を目的に、ろう学校の生徒に対して、救急車の音をスマートフォンのバイブレーション等でお知らせするアプリケーションを試作開発する授業を、3月18日 (土)、3月19日 (日) の2日間を通して実施しました。
本授業開催のきっかけは、群馬県に住む聴覚障がい者ご夫婦からのご要望でした。同課題解決に向け、同じ課題を有するろう学校の生徒たちが授業に参加しアプリを制作、最終日には、実際に机上で試作アプリを起動させて各自が全員の前でプレゼンテーションを行いました。
本授業には、東京都立中央ろう学校 木村 容一教諭ご協力のもと、同校に在籍する生徒10名が参加し開発しました。
本授業に参加した生徒からは、「自分達の手で問題を解決していく楽しさを知ることが出来た」、「私達が聴覚障がい者が抱える課題を解決していく必要があるという社会観を持った」、「このIT教室は、大学の進路選択の際に『情報を学びたい』と考えたきっかけとなったので大変感謝しています」といった感想がありました。
また、木村教諭からは、「今回で3回目となるIT教室が、きっかけとなり、自らプログラミング学習を始め、4月から大学の情報学部に進学する生徒も出ました。このIT教室の良い点は、ただプログラミングを学習するだけではなく、聴覚障害者として直面している課題を、ITの力を活用して自分たちで解決して行こうとする経験ができることです。この体験から、障害者としてサポートを受けるだけではなく、良い社会の実現に向け、主体的な態度で社会に関わっていこうとする生徒に育てていきたいと考えています」とのコメントを頂きました。
KDDIは、今後も「障がい者等へのIT教育支援」、「ITで社会的課題を解決していく活動」を継続的に実施していきます。
・授業の様子
・試作開発したアプリをプレゼンテーションする生徒
・開発したアプリ (一例)
・参加したろう学校の生徒達