2023年3月6日
KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 髙橋 誠、以下 KDDI)、三菱重工業株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 泉澤 清次、以下 三菱重工)、NECネッツエスアイ株式会社 (本社: 東京都文京区、代表取締役執行役員社長: 牛島 祐之、以下 NECネッツエスアイ) は、2023年2月28日、脱炭素に貢献するサステナブルなデータセンターを目指し、液体でIT機器を冷却する液浸冷却装置の大規模構成での利用を想定した実証実験 (以下 本実証) を行い、冷却設備におけるティア4 (注1) レベルでの安定稼働に成功しました。従来型のデータセンターと比較し、サーバー冷却のために消費される電力を94%削減 (
注2)、データセンターの電力使用効率を示すPUE値1.05 (
注3) を実現しました。なお、本実証はKDDI小山ネットワークセンター (以下 KDDI小山NC) で実施しました。
3社は、大規模データセンターからコンテナ型データセンター (注4) まで幅広い活用を想定し、2023年度中に液浸データセンターの提供を開始します。
<液浸データセンター全景>
<室内: 液浸冷却装置>
<室外: フリークーリング装置>
2022年4月1日からKDDI小山NCにて、100kVA相当のサーバーなどのIT機器と液浸冷却装置をデータセンター内に収容し、試験運用する実証を行いました。最適化された外気空冷を行うフリークーリング装置を開発し、データセンターでの実装を想定した排熱処理能力の向上と省電力化を実現しました。
また、液浸冷却装置およびフリークーリング装置に高い可用性を持たせ、ティア4レベルの液浸データセンターでの実装設計を具現化し、安定稼働の成立性を確認しました。
<液浸冷却装置およびフリークーリング装置の構成>
3社は今後も、本実証を通じて、国内のデジタルトランスフォーメーション (DX) の発展に寄与するとともに、脱炭素化および地球環境保全に貢献していきます。
KDDIは、液浸技術を使ったデータセンターの基礎実証を台湾で実施しました。この実証は、液浸技術と20フィートコンテナ、さらには外気空冷を組み合わせたコンテナ型データセンターを使って行われ、最終的に「PUE値1.09」を達成しました。
KDDI、三菱重工、NECネッツエスアイの3社は、液体でIT機器を冷却する液浸冷却装置を活用し、データセンターを小型コンテナに収容して稼働させる実証実験に成功しました。従来型のデータセンターと比較して43%の消費電力削減と、「PUE値1.07」のコンテナ型データセンターを実現しました。
2021年6月21日ニュースリリースKDDI、三菱重工、NECネッツエスアイ、液浸冷却装置の活用および小型データセンターの実現に向けた実証実験を開始
~脱炭素化に向け、サーバーを冷却するための消費電力を削減~
2022年3月29日ニュースリリースサーバーを液体冷却、コンテナ型データセンターで消費電力43%減に成功
~脱炭素に貢献、24年度の商用提供を目指しKDDI小山TCで試験運用~
KDDI、三菱重工、NECネッツエスアイの3社は、KDDI小山NCに設置した大規模構成のデータセンターにおいて、液体でIT機器を冷却する液浸データセンターとしての安定稼働の実証実験に成功しました。従来型のデータセンターと比較してサーバー冷却のために消費される電力の94%削減と、「PUE値1.05」の液浸データセンターを実現しました。
これまでの取り組みを通じて、実証対象のデータセンター規模は徐々に拡大、PUE値は徐々に向上しており、サステナブルな液浸データセンター運用に向け、進化を続けています。
<これまでの取り組み>