2022年3月29日
KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 高橋 誠、以下 KDDI)、三菱重工業株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 泉澤 清次、以下 三菱重工)、NECネッツエスアイ株式会社 (本社: 東京都文京区、代表取締役執行役員社長: 牛島 祐之、以下 NECネッツエスアイ) は、液体でIT機器を冷却する液浸冷却装置を活用し、データセンターを小型コンテナに収容して稼働させる実証実験 (以下 本実証) に成功しました。従来型のデータセンターと比較して43%の消費電力削減 (注1) と、PUE1.07 (注2) のコンテナ型スモールデータセンターを実現しました。
3社は、本実証のコンテナの中で稼働させた液浸冷却装置を、大規模なデータセンターへの導入に向け、2022年4月1日からKDDI小山テクニカルセンター (以下 KDDI小山TC) での試験運用を開始します。また、KDDIにおいては2024年度中に液浸冷却装置の商用提供を目指します。
<コンテナ型スモールデータセンター>
<液浸冷却装置>
<液体で機器を冷却する様子>
社会全体のデジタル化が急速に進む中で、データセンターは、現代の生活や文化を支える社会インフラとしての重要性を増しており、サーバーの追加やデータセンターの増設に対する需要が高まっています。
サーバーが発する熱を高効率の冷却装置で冷却することで消費電力量を抑制し、環境に与える影響を最小限に留めることが求められています。
今回、各分野で社会インフラを担っている3社が共通の社会課題を認識し、3社が持つ技術や知見をそれぞれ持ち寄って課題解決していくことに合意し、本実証の実施に至りました。
2021年6月21日から三菱重工のYokohama Hardtech Hubにて、50kVA相当のサーバーなどのIT機器と液浸冷却装置を12ftのコンテナに収容し、稼働させる実証を行いました。設置が容易なコンテナ型スモールデータセンターを実現することで、データセンターの設置環境や条件を大きく緩和するほか、既存のデータセンターの処理を補完することができます。
また、本実証では、コンテナ型スモールデータセンターの成立性のほか、サーバーの冷却性能、エネルギー効率を検証しました。
実証内容の詳細、各社の役割、協力企業などは2021年6月21日のニュースリリースをご参照ください。
冷却効率の向上
サーバーの冷却において、従来の空調空冷の代わりにオイル状の液体冷媒と外気を使用することで、43%の消費電力削減とPUE1.07を実現しました。
小型データセンターの実現
実装設計や小型装置の開発を行い、液浸冷却装置 (液浸装置+ラジエーター) や外気冷却機構一式を12ftの小型コンテナに実装しました。
KDDI小山TCで液浸冷却装置を試験運用し、安定性や成立性を検証します。
2022年4月1日から2023年2月28日
3社は今後も、本実証を通じて、国内のデジタルトランスフォーメンション (DX) の発展に寄与するとともに、脱炭素化および地球環境保全に貢献していきます。