2020年10月28日
KDDIは、有望なベンチャー企業への出資を目的とした「KDDI Open Innovation Fund 3号」(運営者: グローバル・ブレイン株式会社、以下 KOIF3号) を通じて、高度なAI解析技術をエッジコンピューティングで活用したIoTシステムを安価に構築できるプラットフォーム「Actcast」を提供するIdein (イデイン) 株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役: 中村 晃一、以下 Idein) に出資しました。
AIを活用したIoTシステムの構築では、カメラやセンサーなどのエッジデバイスに、取得したデータなどの解析処理を担わせることで、クラウドサーバー間との通信量削減による低遅延化や負荷分散などを実現できます。一方で、映像解析などの負荷の高い計算処理には、エッジデバイスに処理能力が必要となる点が課題でした。
Ideinは、独自のエッジコンピューティング高速化技術を活用し、高度なAI解析を必要とするIoTシステムを構築できる開発者向けプラットフォーム「Actcast」を提供しています。「Actcast」により、Raspberry Pi (ラズベリーパイ) (注1) などの安価なコンピューターもエッジデバイスに利用することができるため、システムの導入・運用コストの大幅な削減に貢献します。また「Actcast」のAI解析技術は、小売業界での来店者属性分析やデジタルサイネージの最適化、製造業界での工場内の異物検知や製品の検品、MaaSでの人流解析や交通量カウントなど、さまざまな産業分野で活用されており、これまでに71社 (注2) で利用されています。
<「Actcast」サービスイメージ>
KDDIは、「MUGENLABO支援プログラム 2020」を通じ、IdeinのAI解析技術を活用した検温自動化をau直営店で採用していますが、本出資を通じて、KDDIのIoT・クラウドサービスとの連携や顧客開拓などで、Ideinの事業成長を支援します。さらに、5Gネットワークを活用し、Ideinとの連携によるエッジコンピューティングサービスも検討し、新しいビジネスの構築を目指します。
KDDIは、"お客さまに一番身近に感じてもらえる会社"として、有望なスタートアップ企業への出資を通じたビジネス共創を促進し、お客さまやパートナー企業さまとともに、新しいビジネスモデルを創造していきます。
KDDIは、2020年8月に「MUGENLABO支援プログラム 2020」の第1弾として、KDDI直営店において来店されるお客さまと働く従業員の安全確保を目的に、スタートアップのコロナ対策アプリとして、IdeinのAIカメラを活用した来店者の体温測定器を導入しました。
2020年8月18日 KDDIプレスリリース
「MUGENLABO支援プログラム 2020」第1弾として、KDDI・JOYSOUND直営店にスタートアップのコロナ対策技術を採用
<au Ikebukuroに設置の体温検知測定器>
KDDI Open Innovation Fundは、ベンチャー企業を広く支援するコーポレートベンチャーファンドです。現在活動している「KDDI Open Innovation Fund 3号」は、運用総額約200億円規模で、AI、IoT、ビッグデータ、フィンテックを注力分野としています。