2018年6月27日
KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 高橋 誠、以下 KDDI)、株式会社KDDI総合研究所 (本社: 埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長: 中島 康之、以下 KDDI総合研究所)、沖縄セルラー電話株式会社 (本社: 沖縄県那覇市、代表取締役社長: 湯淺 英雄) は、株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (本社: 京都府相楽郡精華町 (けいはんな学研都市)、代表取締役社長: 浅見 徹) およびサムスン電子 (本社: 大韓民国水原市、CEO: Kinam Kim (金奇南)) の協力の下、次世代移動通信システム「5G」(以下 5G) に対応したタブレット端末を活用し、スタジアムにおける自由視点映像のリアルタイム配信 (以下 本実験) に世界で初めて成功しました。
<自由視点映像リアルタイム配信 操作イメージ>
スタジアムにおけるエンターテインメント高度化の実現に向けては、スポーツ観戦やコンサート視聴など、大容量映像をモバイル端末や大型スクリーンへリアルタイムに伝送することによる新たな体験価値の提供が期待されています。既存のモバイル通信では実現が困難であった多数の観客に向けた大容量映像の同時配信が5Gを活用することで可能となります。
本実験は、2018年6月26日に沖縄県の沖縄セルラースタジアム那覇 (沖縄県那覇市、以下 沖縄セルラースタジアム) で開催された日本プロ野球公式戦、北海道日本ハムファイターズ対福岡ソフトバンクホークスにおいて実施しました。
沖縄セルラースタジアムの観客席に5Gのエリアを構築し、自由視点映像の撮影のためにバッターボックスに向けたカメラを16台設置しました。16台のカメラを利用し同じタイミングで多方向から撮影された打者の映像を元に、任意のアングルからの自由視点映像に加工して、複数の5Gタブレットにリアルタイムに配信することに成功しました。
これにより、お客さまは、モバイル端末を介した任意のアングルでのスポーツ観戦が可能となり、スタジアムにおける新たな観戦スタイルを提供できるとともに、遠隔でのイベント視聴において、テレビ中継とは異なる臨場感を体感できます。
今後も、KDDIグループは、「通信とライフデザインの融合」を推進し、"ワクワクを提案し続ける会社"として、5G、IoTをはじめとするさまざまなテクノロジーを活用し、お客さまやパートナー企業とともに、新しい体験価値を創造していきます。
KDDIが取り組む自由視点映像は、「タイムスライス自由視点」と「自由視点VR」の二種に大別されます。「タイムスライス自由視点」は「4D REPLAY」(注) が採用する方式であり、短い処理時間で自由視点映像を生成し、様々なカメラアングルで映像を鑑賞することができます。「自由視点VR」はKDDI総合研究所の技術であり、複数のカメラの映像から抽出した選手などの人物領域やスタジアム背景を、3次元コンピュータグラフィクス (3DCG) モデルで表現することにより、実際にカメラ映像がなくてもあらゆる視点からの映像視聴を少ないカメラ台数で実現します。今回は自由視点VRによるリアルタイム配信を実現しました。