日立産機の産業用インクジェットプリンターは、インクが空中を飛ぶ非接触型の印字方式を採用した高速プリンターです。印字物の外面形状、表面が粗いものや凹凸のあるもの、柔らかいもの、壊れやすいものなどにも高速印字できることが特長です。
また、印字内容、文字種類・サイズはタッチパネルから簡単に設定できます。
飲料や食品、薬品などの賞味期限や、自動車部品、電子部品などの製造番号の印字など幅広い用途で世界中の国々や地域へ展開しています。
2018年6月7日
KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 高橋 誠、以下 KDDI)、株式会社日立製作所 (本社: 東京都千代田区、執行役社長兼CEO: 東原 敏昭、以下 日立) は、グローバルに事業展開を図るお客さまへIoTの通信接続からサービス展開、データ分析まで提供するKDDI「IoT世界基盤」(注1) において連携し、今後、さまざまな産業分野における幅広い協創を通じて、お客さまの新たな価値の創出やビジネスの変革に貢献していきます。
<KDDI、日立協業内容>
近年、あらゆるモノがネットワークにつながるIoT技術の進展により、さまざまな製品や設備などモノから集まる多種多様な情報を収集・分析することにより、新しいサービスの開発やビジネスモデルの変革など、従来にない価値の創出に向けた各企業の取り組みが加速しています。
KDDIは、車や産業機械などさまざまなモノの通信接続において、国ごとに仕様が異なるIoT通信接続をグローバルで共通化し、IoTの通信接続からサービス展開、データ分析までサポートするKDDI「IoT世界基盤」を推進しています。また、本基盤の核となる「KDDIグローバル通信プラットフォーム」において、各国の通信事業者を繋いだIoT回線管理を実現する重要な機能に日立の技術を採用しました。
また、日立は、2016年5月に、自ら製造業として長年培ってきたOT (Operational Technology、制御・運用技術) とAIやビッグデータ解析など、最新のデジタル技術のITを融合したIoTプラットフォーム「Lumada」の提供を開始しました。「Lumada」は、オープンでアダプタブルな特長を有しており、さまざまなプラットフォームや各種業種向けのアプリケーションとの容易な連携を実現します。
これまでに、電力や交通など社会インフラ分野や、製造・流通分野をはじめ幅広い分野で、国内外のさまざまなお客さまやパートナーと協創し、機器の故障予知による稼働率の向上、交通情報を活用した輸送計画の最適化といった500件 (注2) を超える各種ユースケースを積み上げてきました。
KDDIと日立は、KDDIのグローバル通信プラットフォームと日立の「Lumada」との連携をさらに強化し、日立の幅広い業容や実績を生かして、お客さまのグローバルでのIoT事業の展開を支援します。
今回、新たな協業の第一弾として、2018年7月から、株式会社日立産機システム (本社: 東京都千代田区、取締役社長: 荒谷 豊、以下 日立産機) がグローバルに展開する産業用インクジェットプリンターにおいて、グローバル通信プラットフォームを試験導入します。
産業用インクジェットプリンターは、食品などの製造ロット番号や消費期限などの印字を行う機器であり、日立産機製品の多くが海外で使用されています。印字品質の管理や製品の安定稼働の支援のために遠隔モニタリングの導入を図っていますが、グローバルで安定的に導入するには、通信環境面で課題がありました。グローバル通信プラットフォームを活用することにより、セキュアかつ高品質な通信環境のもと、データの大容量化にも対応可能となり、高品質な遠隔モニタリングのグローバル展開が見込めます。将来的には、不具合の予兆管理などメンテナンスサービスの拡大やコストの低減をめざします。
KDDIと日立は、今後も、建設機械や工場の生産設備、エネルギーや交通など社会インフラ分野の設備管理など幅広い分野において本基盤の活用を検証するなど、さまざまな設備・機器から生まれた多様なデータから新たな価値を創出する、KDDIのグローバルでのIoTの事業展開の加速に取り組んでいきます。
KDDIのグローバル通信プラットフォームは、グローバル環境下での通信の接続・切替において、国や地域ごとに選定した通信キャリアへの自動的な接続・切替を可能にする基盤であり、IoTによりつながるさまざまなモノの管理において、通信回線や課金情報のほかユーザーの利用履歴や利用権限の統合的な管理を可能とします。
国や地域に跨り移動する自動車や建設機械といった移動体のほか、グローバルに出荷されるさまざまな産業設備などの一元管理を、通信環境を気にすることなく実現できるため、企業のグローバルでのスムーズな事業展開を支援します。
本プラットフォームは、トヨタ自動車株式会社とKDDIが進める「つながるクルマ」の通信基盤に採用されています。今後、KDDIは、自動車のほか、さまざまな産業分野における適用を拡大していく予定です。
なお、グローバル通信プラットフォームの開発にあたっては、開発パートナーの一つである日立の「Lumada」のテクノロジー・ノウハウを活用しています。(注3)