文字入力による検索は、半数近くの人が「面倒だ」と感じていることが明らかになった。
男女別にみると、「面倒だ」と感じているのは、男性が43.2%、女性が47.6%で、女性の方が高くなった。「面倒だ」と感じている女性の割合を年代別にみると、10代は31.3%、20代は40.9%、30代は51.8%、40代は53.0%、50代は52.4%、60代は56.0%と、30代以上の女性ではいずれも半数以上という結果になった。
外出先など、人前で、音声でインターネット検索をするのは「恥ずかしい」と思う人は、7割を超えた。
男女別にみると、「恥ずかしい」と感じるのは、男性 (67.6%)、女性 (74.6%) と、女性のほうが高い。
性年代別にみると、「恥ずかしい」と感じる割合が最も高かったのは、30代女性 (81.9%) が唯一8割を超えた一方で、「恥ずかしい」と感じない割合が最も高くなったのは、50代男性 (39.3%) だった。
人前でのハンズフリー通話を恥ずかしいと思う人は65.7%となり、人前でのハンズフリー通話は、周りの人からは独り言を言っているようにも見え、抵抗を感じてしまうということが分かった。一方、「そう思わない」と回答した人は34.3%で、人前での音声検索よりも「恥ずかしい」と感じない人が多いことが分かった。
男女別にみると、「恥ずかしい」と感じるのは、人前での音声検索と同様に女性のほうが高く、男性は60.4%、女性は71.0%だった。
性年代別にみると、「恥ずかしい」と感じる割合が最も高くなったのは、50代女性 (76.2%)、一方、「恥ずかしい」と感じない割合が最も高くなったのは60代男性 (44.0%) だった。
音声操作をする人の利用場所は、自宅 (30.4%) と外出先 (22.1%) では自宅が上回った。
年代別にみると、「自宅」で音声操作をすることがある人は、50代までは年代が上がるにつれ低くなり、10代40.4%、20代38.6%、30代36.1%と30代までは徐々に低くなったが、40代で大きく落ち込み、40代は24.7%、50代は18.5%と50代では2割を下回った。
また、外出先で音声操作をすることがある人も50代までは年代が上がるほど低くなり、10代は30.1%、20代は27.7%と3割前後だった、30代では22.9%、40代では21.1%と2割台前半となり、50代では14.3%まで下がった。
自宅で行うことがある音声操作の内容をみると、「インターネット検索」(14.2%) が最も多く、「地図の検索」(10.7%)、「天気予報の確認」(9.8%) が続いた。また、「SNSの投稿」(3.1%) や「AI (音声アシスタント) との暇つぶしの会話」(2.9%)、「家電や住宅設備の操作(照明のon/offなど)」(1.9%) との回答もあった。
外出先で周囲に人がいても、自宅の家電などを音声操作したい (19.2%) は、約5人に1人の割合となった。
外出先で周囲に人がいないなら、自宅の家電などを音声操作したい (34.2%) は、3人に1人の割合に増加。他人に聞かれる恥ずかしさがなければ、やってみたいという人もいることが分かった。
性年代別にみると、(外出先で周囲に人がいないなら) 自宅の家電などを操作したい、と回答したのは男女とも20代が他の年代より高く、20代男性では44.6%、20代女性では39.7%となった。
自宅で周囲に人がいても、家電などを音声操作したいと回答した人は25.2%となり、自宅で周囲に人がいないなら、家電などを音声操作したいと40.3%が回答。自宅で一人のとき、音声操作に対するニーズが高いことが分かった。
検索結果を文字情報で読むのは「面倒」(33.2%) が3割を超えた。
性年代別で見ると、検索結果を文字情報で読むのが「面倒」と回答したのが最も高いのは、20代男性43.4%。
検索よりも人に聞くほうが楽、との回答は37.2%。
性年代別で見ると、検索よりも人に聞くほうが楽との回答が最も高いのは20代男性で43.4%。
"検索する"というよりも"自然に問い掛ける"という感覚を好む人が多い20代男性は、音声アシスタントに対する潜在的ニーズも高いことが伺い知れる。
音声アシスタントが進化して、「理解・対応できるようになったら嬉しいこと」を聞いたところ、1位「外国語の会話に対応 (翻訳など)」(47.2%)、2位「標準語以外 (方言) の会話に対応」(25.6%)、3位「会話の流れから、言い間違いや言葉足らずを補完して対応」(22.9%)、4位「ペットの鳴き声に対応(ペットの気持ちの翻訳やペットの状態に応じて家電操作など)」(18.9%)、5位「会話履歴から、好みを学習して対応(関心がありそうなニュースや音楽を提案してくれるなど)」(16.2%) となった。
居住地別にみると、「標準語以外 (方言) の会話に対応」は、大阪府在住の人では37.3%と、他の都道府県と比べて高さが目立った。使い慣れた関西弁で音声アシスタントとテンポよくやりとりしたいと思う人が大阪府在住の人には多いということが伺い知れる。
年代別にみると、10代では、特に「会話履歴から、好みを学習して対応 (関心がありそうなニュースや音楽を提案してくれるなど)」(26.5%) や「会話のムードから、感情を察知して対応 (ムードにあった音楽をかけてくれる、気分転換になる話をしてくれるなど)」(21.7%)、「雑談を楽しみたいとき用に、"聞き上手モード"を搭載 (AIから質問してくれる、相槌をしてくれるなど)」(22.3%) で、他の年代層より高くなる傾向がみられた。
音声アシスタントの開発で、「会話のセンスを学ぶお手本にしてほしい」と思う有名人、1位は「マツコ・デラックスさん」(19.8%) となった。毒舌の中に垣間見える優しさが支持率の高さにつながっていることが伺える。以下、2位は「タモリさん」(13.1%)、3位は「明石家さんまさん」(11.3%) とお笑い界の大御所が続き、4位はバラエティ番組でも活躍するTBSアナウンサーの「安住紳一郎さん」(11.0%)、5位はジャーナリストの「池上彰さん」(10.9%) となった。
男女別にみると、男性回答では、1位「タモリさん」(16.0%)、2位「マツコ・デラックスさん」(14.8%)、3位「明石家さんまさん」(13.4%) となった。嫌味なく博識ぶりを披露しているタモリさんの話し方に憧れる男性が多いことが分かる。一方、女性回答では1位「マツコ・デラックスさん」(24.8%)、2位「安住紳一郎さん」と「水卜麻美さん」(ともに13.6%) となった。相手を傷つけない毒舌の持ち主であるマツコ・デラックスさんに続いたのは、どんなゲストに対しても上手く対応している安住さん、水卜さんといった二人の人気アナウンサーだった。
音声アシスタントが将来進化しても、「こんなことは言われたくない」と思うセリフについて聞いたところ、1位は「何回同じことを聞くのですか?/○月○日に同じ質問にお答えしましたよ」(41.9%)、2位は「私が教えたらあなたのためになりません」(24.9%)、3位「もっとはっきり話してください/滑舌が悪くて聞き取れません」(22.9%)、4位「あなたには似合わないですよ」(22.2%)、5位「奥さん (旦那さん、ご両親) に言いつけますよ」(22.0%) となった。
音声アシスタントの音声として、「こんな声で応答して欲しい」と思う有名人、男性有名人の1位は「福山雅治さん」、2位「タモリさん」、3位「竹野内豊さん」、4位はお笑いコンビ麒麟の「川島明さん」、5位「斎藤工さん」と、落ち着いた低音ボイスの持ち主が多数ランクインした。
一方、女性有名人では、1位は「新垣結衣さん」、2位「綾瀬はるかさん」、3位「石原さとみさん」、4位「広瀬すずさん」、5位「有村架純さん」となった。
アニメキャラクターでは、「ドラえもん」がダントツ、2位「江戸川コナン」(名探偵コナン)、3位「孫悟空」(ドラゴンボール)、4位「モンキー・D・ルフィ」(ONE PIECE)、5位「フグ田サザエ」(サザエさん) となった。
「朝、こんな声で起こしてほしい」と思う有名人は、男性が選ぶ女性有名人では、1位「新垣結衣さん」、2位「壇蜜さん」、3位「綾瀬はるかさん」の順となり、女性が選ぶ男性有名人をみると1位「福山雅治さん」、2位「竹内涼真さん」、3位「竹野内豊さん」の順となった。
結果は1位「ガードマン (空き巣・泥棒対策)」(37.2%)、2位「サイバーセキュリティ担当 (インターネットのセキュリティ対策)」(36.5%)、3位「ハウスキーパー (家事支援)」(24.2%)、4位「ホームドクター (健康管理支援)」(22.8%)、5位「買い物コンシェルジュ (買い物支援)」(17.6%) の順となった。安全や健康を守る役割、また家事や買い物など毎日の家庭生活を楽にする役割が求められていることが分かった。
年代別にみると、60代では「ホームドクター (健康管理支援)」が33.9%、「ヘルパー・ケアマネージャー (介護支援)」が26.8%と、他の年代と比べて高い割合となった。また、子育てをしながら仕事をしている女性についてみると、「ハウスキーパー (家事支援)」が35.2%と、他の有職層と比べて高い割合となった。高齢化や女性の社会進出が進む中、音声アシスタントにはこうした役割が今後ますます求められるようになることが伺い知れる。
さらに、10代では「家庭教師 (学習・教育支援)」が27.7%で他の年代層より高くなったほか、「ガードマン (空き巣・泥棒対策)」(42.8%) や「心理カウンセラー・セラピスト (メンタルケア支援)」(21.1%)、「家計アドバイザー・プランナー (家計管理支援)」(22.9%) を期待する傾向がみられた。