No.17-033
2017年2月15日
KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 田中 孝司) (以下、KDDI) は、2017年2月16日より、ルームスケールVR「HTC Vive」などを使った「VR (仮想現実) による災害対策訓練ソリューション」(以下、本ソリューション) の提供を開始します。
また、西日本旅客鉄道株式会社 (本社: 大阪府大阪市、代表取締役社長: 来島 達夫) (以下、JR西日本) では、本ソリューションを新宮駅と和歌山市駅を結ぶ紀勢線の津波対策に関わる運転士向けの訓練に2017年4月以降、順次導入します。
なお、本ソリューションは、鉄道会社の運転士を対象に、VR機器と実写VR動画コンテンツを活用した津波などの自然災害対策訓練の商用化事例としては日本で初めて (注1) となる取り組みです。
JR西日本和歌山支社では、南海トラフ巨大地震 (注2) や、それに伴う津波発生などの万が一の事態に備えるべく、ハード・ソフト両面での様々な対策を進めていますが、紀勢線において南海トラフ地震が発生した場合、総延長の約3分の1にあたる約73kmの区間が津波で浸水し、特に、紀伊半島南岸に位置する白浜~新宮駅間は、地震発生から5分以内に10mを超える津波が襲うという厳しい想定がなされています。
そこで、今回、運転士のさらなる判断力の向上を目指すために、JR西日本とKDDIが共同で開発したVRを活用した災害対策ツールを導入することとなりました。
・運転士の視点を360度動画で撮影
対象区間: 紀勢線の一部区間 (串本駅~新宮駅区間) 約43km
・現時点で最高水準の9K (注3) の高解像度 (VR向け画質) で撮影
リアルな走行感や避難誘導の判断に必要となる標識などを肉眼で確認可能としている。
・コンテンツの構成
[1] 避難行動の演習コンテンツ
[2] 地震・津波発生疑似体験コンテンツ
運転士自身が、常日頃から運転している路線の実際の映像により、想定浸水深の確認、避難誘導に関わる設備の確認や震災発生時の津波が起こる様子を疑似体験できることなどから、運転士の判断力を培うことが可能となり、結果として、列車をご利用されるお客様の安全・安心につながると考えています。
2017年4月以降、JR西日本和歌山支社の新宮列車区と紀伊田辺 (きいたなべ) 運転区において各1セットを導入
詳細は別紙をご参照ください。
別紙:JR西日本における「VR (仮想現実)」による災害対策ツールの概要について