国内初、GFRP製で4割軽量化の基地局アンテナ支持柱を導入

このページを印刷する

~基地局工事の負担軽減で5Gエリア展開を加速~

  • KDDI株式会社
  • KDDIエンジニアリング株式会社

2024年1月29日

KDDIとKDDIエンジニアリングは、コスモシステム株式会社(本店:宮城県名取市、代表取締役社長:秋田谷 米男)と共同で開発した、従来の鋼製支持柱と比較し重量を約4割削減したガラス繊維強化プラスチック(以下 GFRP)の携帯電話基地局のアンテナ支持柱(以下 本支持柱)を2024年1月から本格導入します。GFRP製本支持柱により、基地局の建設期間を短縮でき5Gエリアの早期展開に貢献するほか、さびによる劣化を回避しメンテナンス性が向上します。
なお、フィラメントワインディング法(該当項目へジャンプします注1)で製作された管を用い、ボルトを除くすべてのパーツにGFRPを使用した本支持柱は国内初(該当項目へジャンプします注2)となります。

<本支持柱を使用した
携帯電話基地局のアンテナ>

<従来のアンテナ支持柱との比較
(左 鋼製/右 GFRP製)>

携帯電話基地局の建設では、少子高齢化による労働力不足や工事作業の負担が大きな課題となっています。一方で、通信量の急速な増大により基地局設備は増加し続けており、設置場所への負荷軽減などの観点からも設備の軽量化が求められています。また、昨今脅威が高まっている集中豪雨や大規模台風、地震などの自然災害に対しても通信が維持できる丈夫で頑丈なインフラ設備の需要が高まっています。

今回、新たに開発したGFRP製本支持柱は軽量設計のため従来の鋼製支持柱の設置に必要だったクレーンを必要とせず、人力のみで搬入・建柱が可能になります。そのため、工事の作業効率が向上することに加え、クレーン設置場所の道路使用許可申請やビル屋上への荷揚げの安全管理も不要になります。これらにより、基地局の建設期間を短縮でき、5Gエリアの早期展開に貢献します。
また、本支持柱の管はガラス繊維を特殊な角度で巻き付けるフィラメントワインディング法で製作することで強度を向上させ、暴風や東日本大震災級の大地震にも耐えられる耐久性を実現しています。さらに、GFRPは耐食性に優れた材料のため、さびによる劣化の懸念がなく長期間の使用が可能となり、メンテナンス性が向上します。

<本支持柱を搬入する様子>

KDDIとKDDIエンジニアリングは、今後も日々の生活に欠かせないインフラである通信サービスを安心してご利用いただくため、迅速な基地局の展開を通じてお客さまに快適な通信環境を提供し、持続的成長可能な社会の実現に貢献していきます。

  • 注1)
    フィラメントワインディング法(Filament Winding)とは、ガラス繊維のロービング(祖糸)を1~数十本引き揃え、樹脂を含浸させながら回転する金型(マンドレル)に所定の厚さまでテンションをかけて所定の角度で巻き付け、硬化後脱型する成形法。
  • 注2)
    2024年1月29日時点。KDDI調べ。

  • ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。
    商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。