核融合発電に取り組むHelical Fusionへ出資

このページを印刷する
  • KDDI株式会社

2022年11月8日

KDDIは、環境課題に取り組むスタートアップ企業への出資を行うKDDI Green Partners Fund (運営者: SBIインベストメント株式会社) を通じて、二酸化炭素を排出しない核融合発電の早期実現に取り組む株式会社Helical Fusion (ヘリカル フュージョン) (所在地: 東京都千代田区、代表取締役: 田口 昂哉・宮澤 順一、以下 Helical Fusion) に出資 (以下 本出資) しました。

Helical Fusion

KDDI Green Partners Fund

近年、カーボンニュートラル実現を目指す動きが国際的に広まっている一方で、世界のエネルギー需要は増加を続けています。2050年カーボンニュートラル目標を達成するためには新しいエネルギー源の創出が不可欠です。
Helical Fusionは「核融合エネルギーを実装した持続可能な世界を実現する」をミッションに掲げ、現代社会が抱えるエネルギー問題を解決し、恒久的に持続可能な世界を実現することを目指すスタートアップ企業です。KDDIは核融合エネルギーの認知度拡大および社会的受容性向上に向けたサポートを通じてHelical Fusionの事業支援を行い、社会のカーボンニュートラル実現に貢献していきます。

■核融合について

核融合は、太陽をはじめとする宇宙の星々が生み出すエネルギーの源です。水素のような軽い原子核同士が融合し、ヘリウムなどのより重い原子核に変わる反応を指します。
太陽で起きている現象を人類の手で生み出し、発電などに使用することを目指すのが、核融合エネルギーの研究開発です。「地上に太陽をつくる」研究ともいわれています (該当項目へジャンプします注1)。
人類の恒久的なエネルギー源の有力な候補として、1950年代から世界中で実用化に向けた研究がおこなわれてきました。

■核融合エネルギーの特長

  • 水素の同位体 (該当項目へジャンプします注2) を燃料とするため、「資源が海水中に豊富にある」という供給安定性
  • 「二酸化炭素を排出しない」という環境適合性
  • 原子炉と異なり高レベル放射性廃棄物の発生がなく、「安全対策が容易」であること

■Helical Fusionについて

Helical Fusionは、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所における研究成果を基に、ヘリカル型核融合炉 (該当項目へジャンプします注3) の社会実装を目的として設立されました。核融合科学研究所出身の研究者をコアとするスタートアップ企業です。

  • (1)
    • 社名:
      株式会社Helical Fusion
  • (2)
    • 本社:
      東京都中央区銀座1-12-4 N&E BLD. 6F
  • (3)
    • 設立:
      2021年10月22日
  • (4)
    • 事業内容:
      核融合炉の設計、要素技術の開発・提供など
  • (5)
    • 代表取締役:
      田口 昂哉 (共同創業者 代表 [経営担当])、宮澤 順一 (共同創業者 代表 [研究開発担当])
  • (6)

■KDDI Green Partners Fundについて

KDDI Green Partners Fundは、脱炭素社会の実現に向け、環境課題に取り組むスタートアップ企業への出資を行うコーポレートベンチャーキャピタルです。

KDDIは、「豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献する」ことを企業理念とし、社会課題の解決と、社会の持続的な成長に貢献するサステナビリティ活動に取り組んでいます。また、KDDI Green Partners Fundの活動を通じて、革新的技術により社会のカーボンニュートラル実現を目指すスタートアップ企業を支援し、パートナーシップによる脱炭素社会の実現に取り組んでいます。
本出資を通じて、核融合エネルギーを実装した持続可能な世界の実現に向けた取り組みを支援していきます。

  • 注1)
    文部科学省「新規ウィンドウが開きます核融合研究とは
  • 注2)
    原子核は陽子と中性子から構成されているが、物質の化学的性質はほとんどが陽子の個数で決定されるので、陽子数が同じで中性子数が異なるものを同位体という。陽子が1個の水素の同位体としては、軽水素 (中性子数0)、重水素 (中性子数1)、三重水素 (中性子数2) の3種類がある。核融合発電は重水素と三重水素の核融合反応を利用して行う。
    引用: 新規ウィンドウが開きます大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所
  • 注3)
    磁場閉じ込め方式の一種で、DNAに似た二重らせん構造に超電導コイルを捻ることで、高温のプラズマを安定に閉じ込める核融合炉の形式。プラズマ閉じ込めに必要となる磁場配位を外部コイルのみで形成可能であることから、定常運転能力に優れている。
    引用: 参議院常任委員会調査室 特別調査室 新妻健一「pdfファイルをダウンロードします核融合研究の概要 (2.9MB)

  • ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。
    商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。