2022年9月13日
KDDIは、環境課題に取り組むスタートアップ企業への出資を行うKDDI Green Partners Fund (運営者: SBIインベストメント株式会社) を通じて、レアメタルのリサイクルに貢献する株式会社エマルションフローテクノロジーズ (所在地: 茨城県東海村、代表取締役CEO: 鈴木 裕士、以下 EFT) に出資しました。
KDDIは、お客さまの不要となった携帯電話やスマートフォンを回収し、パーツごとに手作業で分解することで、マテリアルリサイクル率99.8%を維持しながら、再資源化の取り組みを進めてきました。これまでの取り組みで得たノウハウなどを活用することで、EFTと共同で、使用済み携帯電話などのリチウムイオン電池に含まれているレアメタルを新たなリチウムイオン電池の材料として使用可能とする水平リサイクル (注1) の実現に向けた実証を行う予定です。
脱炭素社会の実現に向け、電動車などに使用されるリチウムイオン電池を中心とする蓄電池は、需要が拡大する見込みです。その原材料であるレアメタルは、供給量不足に加え、埋蔵地の偏在による地政学リスクやサプライチェーン上の人権課題への懸念なども指摘されていることから、リサイクルによる再資源化の需要が高まっています。
EFTが開発した溶媒抽出技術エマルションフロー (注2) は、画期的な分離精製技術 (注3) により、従来技術と比較して低コストかつ高効率にレアメタルリサイクルを可能とします。従来技術では採算性を確保することが困難だったレアメタルの水平リサイクルの事業化への貢献が期待されています。
<エマルションフローのイメージ>
KDDIは、「豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献する」ことを企業理念とし、社会課題の解決と、社会の持続的な成長に貢献するサステナビリティ活動に取り組んでいます。EFTの支援を通じて、脱炭素社会の実現に不可欠なレアメタル資源の安定供給に貢献し、天然資源に頼らない循環型社会の形成を目指します。
EFTは、2021年に設立された、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 (原子力機構) 発のスタートアップ企業です。溶媒抽出による元素分離技術の研究開発を進めてきた同機構の研究成果であるエマルションフローを社会実装することを目指しています。
KDDI Green Partners Fundは、脱炭素社会の実現に向け、環境課題に取り組むスタートアップ企業への出資を行うコーポレートベンチャーキャピタルです。