長岡市・長岡高専・KDDIの産業創造連携協定に、長岡技大・長岡造形大が10月22日から新たに参画

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~5Gなどの先端技術とデザイン思考による地域人財育成を通じた、地域産業の技術革新・DXを推進~

  • 新潟県長岡市
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構長岡工業高等専門学校
  • 国立大学法人長岡技術科学大学
  • 公立大学法人長岡造形大学
  • KDDI株式会社

2021年10月22日

新潟県長岡市 (市長: 磯田 達伸、以下 長岡市)、独立行政法人国立高等専門学校機構長岡工業高等専門学校 (所在地: 新潟県長岡市、校長: 原田 信弘、以下 長岡高専)、KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 高橋 誠、以下 KDDI) が2020年8月5日に締結した「地方創生に向けた産業創造連携協定」(以下 本協定) に、国立大学法人長岡技術科学大学 (学長: 鎌土 重晴、以下 長岡技大) と公立大学法人長岡造形大学 (学長: 馬場 省吾、以下 長岡造形大) が2021年10月22日に参画しました。

長岡技大と長岡造形大が本協定に参画することで、5GやIoTなどの先端技術とデザイン思考による地域人財育成を通じた、地域産業の技術革新とデジタルトランスフォーメーション (DX) 推進の加速を目指します。

長岡市は、鉄工や鋳物、電子・精密機器など多様な「ものづくり企業」が集積する工業都市であり、人口26万4千人を擁する新潟県内第二の都市です。
市内には4つの大学と工業高等専門学校があり優秀な学生を輩出していますが、東京など首都圏で働くなど地元への定着が課題です。起業・創業や新技術の開発・活用支援、企業との実践的協働機会の提供など、若者が地元に魅力を感じる施策が必要です。

五者は本協定を通じて、長岡市が持つ地域との深いつながり、長岡高専・長岡技大が持つテクノロジーの知見、長岡造形大が持つデザインの活用ノウハウ、KDDIが持つ先端技術や地方創生における人財育成の知見を掛け合わせることで、次世代の地域産業をリードする人材を育成し、地域産業のDX推進の取り組みを加速します。

■本協定の内容

1. 先端技術やデザインの地域活用についての共同研究

  • 5Gを活用した遠隔教育に関する共同研究の実施。
  • KDDIの地域ネットワークと5Gを活用した他地域との広域連携。
  • 地域産業のDX推進を目的とした、デザイン思考やICTを活用した体験型教育の共同研究の実施。

2. イノベーション人財および起業家人財の育成

  • 人財育成ノウハウのある機関や自治体との連携促進、他地域との人財交流。
  • 子供向けICT・プログラミング教育の支援。
  • 起業家講演やイベントなどの研修機会拡大による起業マインドの醸成。
  • KDDIが保有する起業家人財育成E-learningコンテンツの活用拡大。

3. 地域の企業やスタートアップ企業との連携で取り組む地域課題の解決

  • 地域企業への課題解決策が提案可能なベンチャー企業や学生とのマッチングを促進。
  • IoTの各種活用や課題解決型ワークショップなどを通じてICT活用ノウハウを提供。
  • 各者の知見を活用し、地域企業のDXを促進。株式会社ディジタルグロースアカデミア (該当項目へジャンプします注1) のDX人財育成コンテンツも適宜活用。

4. 地域内資源の活用と高度化

  • イノベーション・ハブ (該当項目へジャンプします注2) を長岡の異業種を交えたオープンイノベーションの場として、AI・IoT・ロボットなどのカテゴリごとに組成。
  • KDDIの持つICTの知見を各イノベーション・ハブに利活用し、地域資源の価値向上を促進。
  • NaDeC BASE (該当項目へジャンプします注3) や、イノベーションと産業ビジネス支援の拠点となる「米百俵プレイス ミライエ長岡」(該当項目へジャンプします注4) の機能を最大限に活用し、地域産業の高度化を実践。

各者の取り組み詳細は別紙をご参照ください。


<別紙>

■長岡市について

長岡のまちは、戊辰戦争と長岡空襲 (1945年) による2度の戦禍、2004年の中越地震など相次ぐ災いに遭いながらもその都度、「米百俵」の精神を受け継ぐ市民の力で復興を成し遂げてきました。「まちとは、人が興すもの。まちづくりは、人づくりから始まるのだ。」の思想は、日本海側随一の工業都市として発展し、現在も「米百俵の精神」として長岡に深く根付いています。
また、長岡の産業発展は、明治20年代の東山油田の開発を契機として、原油の輸送、掘削関係の機械類及びさく井機械の製造業に端を発します。その後、工作機械、精密測定器の製造業や鋳造業が興り、今日の工業都市・長岡となりました。
さらに、教育の面では、長岡技大、長岡造形大、長岡大、長岡崇徳大の4つの大学と長岡高専を有し、最先端の研究を行う教員と約5,000人の学生を擁する学園都市の側面も持っています。

■長岡高専について

長岡高専は、「人類の未来をきりひらく、感性ゆたかで実践力のある創造的技術者の育成」を教育理念として掲げ、科学技術の分野で創造力を発揮し、人類の福祉や地球環境にも配慮して社会の発展のため、コミュニケーション能力と国際的な視野を身につけ、地域や世界で活躍出来る人材の育成を目指しています。2017年に、スマートフォンアプリの分析事業や共創事業で知られるフラー株式会社と最先端IT分野およびアントレプレナーシップ教育の実現に向けた包括的連携協定を締結し、AI・IoT・RTの次世代技術の頭文字をとりAIR Technologyと名付け、AIR (空気) のような当たり前の知識・技術として使いこなすことができる次世代 AIR Tech エンジニアの育成に取り組んでいます。本校は、このような数理・データサイエンス・AIに関する知識及び技術について体系的な教育を行う機関として、2021年8月に文部科学大臣から「数理・データサイエンス・AI教育プログラム (リテラシーレベル) プラス」に高専で唯一選定されました。

■長岡技大について

長岡技大は、実践的な技術の開発を主眼とした教育研究を行う大学院に重点を置いた工学系の大学として1976年に開学しました。一般の大学が学術研究を重視しているのに対し、本学は学術研究を産み出すための現場での実践を重んじています。
本学のVOSの精神 (V: Vitality〔活力〕、O: Originality〔独創力〕、S: Services〔世のための奉仕〕) をモットーとして、近年、社会から求められている情報技術を加速させ、高度な技学力 (現場力+研究力+想像力+実践力) と豊かな人間性を持ち、未踏領域・未踏分野に挑戦し、技術イノベーションを興せるタフなグローバル技術者を育てます。

■長岡造形大について

長岡造形大は、1994年に公設民営方式により学校法人が運営する私立大学として開学し、「造形を通して真の人間的豊かさを探求し、これを社会に還元することのできる創造力を備えた人材を養成する」ことを建学の理念とし、新しい時代におけるデザインの実践的教育研究の場としてその役割を担っています。
2014年には長岡市を設置者とする公立大学法人に運営を移行し、将来にわたって時代の要請に応えることのできるデザイン専門の公立大学として新たなスタートを切りました。卒業生はデザインを学ぶプロセスで培った様々な能力を活かし、専門分野のほか社会の幅広い分野の第一線で活躍しています。

■長岡市の取り組み

中心市街地の再開発事業における地方創生拠点の整備に向け、その先行的な活動拠点として、「NaDeC BASE」を2018年に開設しました。「NaDeC BASE」を拠点に「新しい米百俵」に向けた「長岡版イノベーション」を推進し、その一環として、IoT、AI、ロボットなど6つの分野で「イノベーション・ハブ」を立ち上げ、新事業や新産業の創出を目指すほか、起業の機運醸成や事業実現に向けた支援などに取り組んでいます。さらに、長岡商工会議所が立ち上げた「デジタルトランスフォーメーション (DX) 研究会」と連携し、地域の産業活性化を推進しています。
2023年度には、再開発事業により「人づくりと産業振興」を総がかりで支える地方創生の拠点「米百俵プレイス ミライエ長岡」が一部オープンします。市内4大学1高専とのイノベーション拠点、産業ビジネス支援の拠点、まちなか図書館などの施設に、大学や産業界、若者など幅広い世代が集い、交流することで、新しいビジネスの創出を促し、さらなるイノベーションの推進を目指します。

■長岡高専の取り組み

長岡高専では2018年度より「KOSEN4.0イニシアティブ新展開事業」の一貫として「アントレプレナー育成プログラム」を設置しました。本プログラムでは、市内4大学1高専の連携によるNaDeC (Nagaoka Delta Cone) 構想、地域企業等との連携を通じて、学生のアントレプレナーシップ (起業家精神) を育成し、地域の新産業を牽引する人材の育成を目指しています。本プログラムを通じて、本校OBである渋谷氏 (フラー株式会社代表取締役会長) をロールモデルとして、長岡高専の中にアントレプレナーシップが根付き始めました。その結果として、2018年度には、在学中の学生がロボットの関節部分などに使われている減速機の開発・製造を行うベンチャー企業 (拾壱・ビッグストーン株式会社) を創業しました。また、在学中に構想を温め、本校卒業直後の2020年度に完全オンラインで行うビジネスコンテストやインターンシップを提供するベンチャー企業 (株式会社プロッセル) を創業した学生も輩出しました。

■長岡技大の取り組み

長岡技大は、開学以来、主として高等専門学校卒業者を第3学年に受け入れ、大学院までの一貫した教育を行い、実践的グローバル技術者を育成しています。このことが高く評価され、就職率は常にトップクラス、離職率は全国的にみても極めて低い状況となっています。また、本学の長年に亘るSDGs達成に向けた取り組みが認められ、国連からSDGsのゴール9 (産業と技術革新の基盤をつくろう) のハブ大学に2期連続で任命されました。
2022年度には教育組織を再編し、情報技術を活用した先進的研究・技術開発を先導する教育研究拠点として、持続可能な社会の実現を目指して、新たな産業分野を創出・牽引できる技術者の教育をさらに強化します。

■長岡造形大の取り組み

長岡造形大では、企業や自治体と連携し、デザイン研究開発を推進しているほか、「地域協創演習」という本学独自の授業では、地域社会と学生・教員が協働し、地域の課題解決や新たな価値創出に取り組んでいます。また、地域貢献事業として、社会人対象の造形講座「市民工房」、小学生向け「こどもものづくり大学校」を提供しています。
現在は1学部4学科体制により、学生約1,000人の教育研究指導にあたっていますが、2023年度にテクノロジー×デザイン領域を含むデザイン学科を新設予定で、先端技術研究やイノベーション人財育成などデジタル関連の教育にも力を入れています。(設置計画は現在構想中であり、内容に変更が生じる場合があります)

■KDDIの取り組み

KDDIは、これからも事業を通じてさまざまな社会課題の解決に取り組み続けるという決意をこめ、2030年を見据えたKDDIのSDGs「新規ウィンドウが開きますKDDI Sustainable Action~私たちの『つなぐチカラ』は、未来のためにある~」を策定しました。社会課題をリスクとして捉えるだけでなく、KDDIならではの強みを生かしたチャンスと捉え、5GやIoTなどを活用した地方創生や、途上国における低廉で高品質な通信サービスの提供など、事業として利益をあげながら、さまざまな社会課題の解決を図ります。

■KDDIの地方創生

KDDIは、SDGsの達成に向け、事業を通じて解決する社会課題の一つとして、地方創生および教育事業に取り組んでいます。人財育成、ICTを活かしたビジネスの知見やファンドを軸にした地域企業のサポートに加え、教育における地域格差を解消するための環境整備もあわせて推進していきます。地域や企業とのパートナーシップにより、サステナブルなビジネスモデルを構築し、課題を継続的に解決できる「地域の明日」を創っていきます。

地域にとっても企業にとってもサステナブルなビジネスモデル

<KDDIが目指す地方創生の姿>

  • 注1)
    地域DXを推進するKDDIと株式会社チェンジの合弁会社。
  • 注2)
    大学や高専が持つ知見と市内企業が持つ技術を融合させ、新事業や新産業の創出を目指す「長岡版イノベーション」に取り組んでおり、産学官金の関係者が集う事業となっている。テーマ・カテゴリごとに複数の事業がある。
  • 注3)
    NaDeCはNagaoka Delta Coneの略。市内4大学1高専、商工会議所とともに「NaDeC構想推進コンソーシアム」を組織し、活動拠点としてNaDeC BASEを開設。
  • 注4)
    大手通坂之上町地区第一種市街再開発事業の名称。2023年度に一部完成予定。

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