KDDI、NEC、NICT、5GおよびBeyond 5G時代に向けた、先進的仮想化ネットワーク基盤技術の研究開発内容を発表

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~より効率性と柔軟性を備えたCNFの導入に向けて~

  • KDDI株式会社
  • 日本電気株式会社

2021年9月7日

KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 高橋 誠、以下 KDDI) と日本電気株式会社 (本社: 東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼CEO: 森田 隆之、以下 NEC) は、国立研究開発法人情報通信研究機構 (本部: 東京都小金井市、理事長: 徳田 英幸、以下 NICT) と共同で、総務省の研究開発課題である「先進的仮想化ネットワークの基盤技術の研究開発 (該当項目へジャンプします注1)」(以下 本研究開発) を実施しています。本研究開発の取り組み内容について、2021年9月8日から2021年9月10日の間に行われる「ネットワーク運用管理に関する国際会議」(該当項目へジャンプします注2) で発表します。なお、3者は2022年3月の本研究開発完了を目指します。

■本研究開発の背景

  • 5GおよびBeyond 5G時代では、映像配信、XR、自動運転、インフラ管理などのあらゆるサービス分野において、5Gの特長である「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」を最大限に活用するため、柔軟性および効率性を備えた通信ネットワークの実現が求められています。
  • 柔軟性および効率性を備えた通信ネットワークの実現に向け、従来の仮想化技術であるバーチャルネットワークファンクション (以下 VNF) (該当項目へジャンプします注3) と比べ「起動時間が短い」「リソース消費の効率がよい」「可搬性が高い」などのメリットがあるクラウドネイティブネットワークファンクション (以下 CNF) (該当項目へジャンプします注4) が、通信ネットワークの柔軟性および効率性をさらに高める手段として期待されています。
  • CNFは、5GおよびBeyond 5G時代に向け通信ネットワークへの導入機運が社会的にも高まっており、2022年から急激に需要が増加し、2025年にはVNFと同程度まで拡大される見込みで、5GおよびBeyond 5G時代では、VNFとCNFが混在した先進的仮想化ネットワークが想定されています (該当項目へジャンプします注5)。

■本研究開発について

通信ネットワークへのCNFの導入機運が高まる一方で、CNF導入には運用面などの課題があります。本研究開発では、「障害事前予測技術」「超高速化ICTシステム設計技術」「基盤計算機リソースの動的かつ最適制御技術」の研究開発を実施し、CNF導入に向けての課題を解決することで、従来の仮想化ネットワーク以上に安定かつ迅速なデジタル・トランスフォーメーション (DX) サービスの提供と、CNF導入により複雑化する通信ネットワークの耐障害性の向上を目指しています。

本研究開発の概要

<本研究開発の概要>

1. CNF導入に向けての課題

  • (1)
    原因特定や障害復旧が容易でない障害の発生、監視運用の複雑化する環境における通信事業者に求められる品質の維持
  • (2)
    複数の小さなサービスを連携させるアーキテクチャによる設計対象数・種別の増加
  • (3)
    CNFとVNFが混在した2階層型のネットワーク環境における複雑なリソース調整

2. 本研究開発の技術概要

  • (1)
    障害事前予測技術 (担当: KDDI)
    CNFで増加する運用対象において、AI自動化に必要となる指標を網羅的に観測可能とするため、未知の障害を能動的に探索することで、監視を超えた事前予測技術の確立を目指しています。また、オートヒーリング (該当項目へジャンプします注6) などの自動化技術により、発見が難しい障害予兆を観測可能とする技術の確立を目指しています。
  • (2)
    超高速化ICTシステム設計技術 (担当: NEC)
    マイクロサービス化による設計の複雑化に対して、要件の快適な調整や障害によるネットワークサービスに対する影響の回避を実現するため、豊富な要件/障害事例を整備すると共にこれに対応する設計導出を高速化することで、分単位でサービスを再構築可能な超高速化ICTシステム設計技術の確立を目指しています。
  • (3)
    基盤計算機リソースの動的かつ最適制御技術 (担当: NICT)
    CNFとVNFが混在したネットワーク環境において、ネットワーク機能が動作するサーバー環境の利用状況を常時把握し、障害や輻輳が発生したサーバーの計算機リソース自動調停や、余剰があるサーバーへのネットワーク機能の自動移行を実行することで、データ転送基盤の再構成を高速に実行可能な基盤計算機リソースの動的かつ最適制御技術の確立を目指しています。

■3者の役割

  • KDDI
    :「障害事前予測技術」の研究および2023年度を目途とした商用環境への展開
  • NEC
    :「超高速化ICTシステム設計技術」の研究および2022年度中のITシステムの運用管理製品への実装、2023年度を目途とした5Gコア設備を対象とするキャリアインフラ市場への展開
  • NICT
    :「基盤計算機リソースの動的かつ最適制御技術」の研究および企画提案や寄書提出などによる国際標準化機関における標準化活動の推進、及びテストベッドによる実証環境構築

なお、本研究開発は、総務省委託研究「先進的仮想化ネットワークの基盤技術の研究開発 (JPMI00316)」による⽀援を受けて実施しています。

3者は、5GおよびBeyond 5G時代に5Gの特長を最大限に活用できるネットワーク基盤の実現に向け、本研究開発に取り組んでいきます。

  • 注1)
    3者は、令和2年度総務省情報通信技術の研究開発に係る提案の公募における「先進的仮想化ネットワークの基盤技術の研究開発」について提案を行い、2021年3月19日に採択されました。
    新規ウィンドウが開きます令和2年度 情報通信技術の研究開発に係る提案の公募
  • 注2)
    新規ウィンドウが開きますThe 22nd Asia-Pacific Network Operations and Management Symposium
  • 注3)
    VNFは、ネットワーク機能をハードウエアから切り離し、汎用ハードウエア上で実行できる仮想化ネットワークを構築し、ネットワークの柔軟性と効率性を高めるものです。
  • 注4)
    CNFは、ネットワーク機能をマイクロサービスの集合体として実現することにより、VNFよりさらに柔軟かつ効率的な仮想化ネットワークの構築を可能とします。
  • 注5)
    新規ウィンドウが開きますAnalysys Mason, 2020
  • 注6)
    オートヒーリングは、汎用ハードウエアで障害が起きた際に正常なハードウエア上に仮想マシンが自動で移動することです。

  • ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。
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