2021年6月30日
KDDIは、公益社団法人 日本舞踊協会 (本社: 東京都中央区、会長: 近藤 誠一、以下 日本舞踊協会) と連携し、2021年6月21日から2021年6月30日の間、KDDI DIGITAL GATE (注1) の5G環境と「AWS Wavelength」(注2) を活用したオンラインお稽古システムの実証実験 (以下 本実証実験) を行い、低遅延かつ高画質で細かい動作の伝達が可能であることを確認しました。本実証実験は、新型コロナウイルス感染症の影響で活動の制限を余儀なくされている日本舞踊の伝承と、さらなる発展を目的として実施したものです。
なお、本実証実験で構築したオンラインお稽古システムは日本舞踊以外にも応用可能で、今後、さまざまな分野でのオンラインによるお稽古の利便性向上を目指します。
<本実証実験の実施イメージ>
KDDI DIGITAL GATEは、デザイン思考をベースとしたワークショップやアジャイル開発チームによるプロトタイピングを通じて、お客さまの潜在的な課題を発見するとともに、最先端のテクノロジーを用いて、それら課題を解決するソリューションを設計し、構築・検証を素早く実行することでお客さまをサポートしています。また、2020年度からは、文化財のデジタル化による保存と活用を推進するとともに文化・芸能関係とネットワークがある凸版印刷株式会社 (本社: 東京都文京区、代表取締役社長: 麿 秀晴) と連携し、日本舞踊が抱える課題の解決に取り組んできました。
現在、新型コロナウイルス感染防止に伴い、さまざまな舞台芸術活動が制限され、舞台観劇や日々の稽古など、オフラインからオンラインへ活動の場を移すさまざまな試みが進められています。
しかしながら、日本舞踊は音楽に合わせた「振り」や「間」の取り方が重要であり、遅延やコマ落ちが発生する従来のオンラインお稽古では日本舞踊の「振り」と「間」を正確に伝えることができず、指導に限界があるといった課題があります。
また、日本舞踊には「1対1で稽古する」という伝統があり、基本的に弟子は一度入門した師匠を変えず、長期にわたって同じ師匠に習い続けます。さらに、日本舞踊に関心があっても、近くに指導者がいないため、お稽古を開始することが困難な場合があります。日本舞踊のさらなる発展に向けては、お稽古を開始する敷居を下げることや、転居などの生活環境の変化やアフターコロナと呼ばれる人々の新しい生活様式に対応する方法の検討が必要です。
本実証実験では、5GとAWS Wavelengthを活用することで、大容量データの高速処理を要するオンラインお稽古システムを実現します。
<本実証実験のネットワーク構成イメージ>
5GとAWS Wavelengthを用いた高画質映像のリアルタイム通信により、手足の細部の動きまで高精細に表現することができ、オンライン上でも臨場感のあるお稽古を実施できます。これにより、日本舞踊の「振り」と「間」を正確に伝えることが可能です。また、音楽を師匠・弟子側で同時再生できるアプリケーションを独自開発することで、各拠点で再生される音楽に合わせて踊ることができ、より遅延を感じないオンラインお稽古を可能としました。今後、5Gエリアが拡充していくことで、稽古場やスタジオと各家庭をつなげた高品質なオンラインお稽古の実現を目指します。
<コンセプトイメージ>
<オンラインお稽古の様子>
KDDIは、通信とライフデザインの融合を推進し、自社の通信技術を活かし、パートナーとの事業創造を通して、さまざまな分野で新たな価値を提供していきます。