2021年3月5日
KDDI、KDDI総合研究所、モビコムは2021年3月5日から、5Gアクセス設備でさまざまなメーカーの機器を自由に組み合わせたオープン化 (注1) の可能性を検証すべく、日本とモンゴルの2国間でKDDIとモビコムの通信装置を相互接続する実証実験 (以下 本実証実験) を開始します。
<DCSG装置と周辺装置を含む相互接続実証の構成概要>
従来の通信ネットワークは、特定のメーカーがハードウエア・ソフトウエアともに開発した通信専用の製品を用いて構築されています。今後の5Gネットワーク構築では、ローカル5Gとの接続など通信事業者や企業による多様なニーズに、柔軟かつ素早く対応する必要があるため、複数のメーカーの製品を組み合わせたオープン化設備の開発が進められています。
KDDIとKDDI総合研究所も、5Gエリア拡大の加速とネットワーク構築コストの抑制を目的とし、RAN設備、アクセス設備、コア設備のそれぞれでオープン化に取り組んでいます。Telecom Infra Project (以下 TIP (注2)) Community Labでは、アクセス設備の中で基地局や固定系通信などのさまざまなサービスを収容する役割を持つDisaggregated Cell Site Gateway装置 (以下 DCSG装置) のオープン化の検証を進めてきました。
このたび、オープン化したDCSG装置において、仮想的な閉域網を作るためのVPN機能などの基礎的な検証が完了したため、他事業者であるモビコムが所有するバックホール設備 (注3)・コア設備 (注4) と相互接続する本実証実験を開始します。本実証実験では、これまでKDDIにおいてTIPコミュニティ内で設計した設備のみで行っていた検証を、他事業者と協力しTIPコミュニティ以外の装置と相互接続してDCSG装置の実用性を確認し、オープン化した通信設備の商用導入に向けた課題抽出を行います。
TIP Community Labにおける本実証実験の実施について、TIP チーフエンジニアのDavid (デービッド) Hutton (ハートン) は次のように述べています。
「今回のKDDI、KDDI総合研究所およびモビコムによるDCSGとバックホール設備などを含む検証は、ネットワーク装置のオープン化に向けた重要なステップになるとTIPは考えます。DCSGを含むTIP Open Optical & Packet Transportソリューションは、5Gの成功に必要となる伝送ネットワークの能力を満たし、通信事業者ひいてはコンシューマや法人のお客さまの満足に貢献するでしょう。」
KDDI、KDDI総合研究所、モビコムは、TIP Community Labでの活動を通じて明らかになった課題や解決手法をTIPのコミュニティと共有し、テレコム分野のイノベーションを加速していきます。また、オープン化する通信設備の実用性向上や、コミュニティを超えたオープン化エコシステムと市場の拡大に大きく貢献していきます。
モビコムは、モンゴル国において、国内携帯電話加入者シェアNo. 1であり、携帯・固定通信、衛星通信、ICT分野において幅広いサービスを提供している総合通信事業者です。KDDIは、1995年の設立時からモビコムに出資しており、株主かつ運営パートナーである住友商事株式会社およびNewcom LLCと3社で連携して、モビコムの運営およびモンゴル国における通信事業の発展に寄与してきました。今後も国内外で培った経験やノウハウを一層活用し、引き続き強固なパートナーシップでモビコムおよびモンゴル国における通信環境のさらなる発展に貢献していきます。