2019年11月12日
KDDIは、総務省の「ビッグデータを活用したテレワーク・デイズ2019の効果測定に関する請負」を受託し、2019年7月22日から9月6日のあいだに行われたテレワーク・デイズ2019にて、位置情報ビッグデータを活用した効果測定 (以下、本効果測定) を実施し、テレワーク・デイズ2019集中実施期間内外での通勤者減少量の比較と、2020年の大規模イベント開催で混雑緩和が課題となる重点16エリアでの通勤者減少量の比較を行いました。その結果、東京23区内の通勤者数が集中実施期間内外の比較で9.2%減少し、うち7月22日から7月26日の前半1週間においては、昨年対比で約3倍となる延べ約124万人減少したことと、重点16エリアのうち新宿が集中実施期間内外の比較で最も通勤者が減少したことが分かりました。
さらに、KDDI総合研究所とともに行動変容技術を活用した事前アンケート調査有無によるテレワーク・デイズ実施傾向を検証しました。
東京23区内において、あらかじめ同意をいただいたauをご利用になられているお客さまの動態データを対象とし、株式会社コロプラ (本社: 東京都渋谷区、代表取締役社長: 馬場功淳) によるデータ分析協力のもと効果測定を実施し、通勤者数を約500m区画単位で可視化することで比較を行いました。
テレワーク・デイズ2019期間外 (2019年7月1日から12日、土日除く) と、テレワーク・デイズ2019における集中実施期間内 (2019年7月22日から8月2日、8月19日から8月30日、土日除く) の通勤者数の比較を行いました。
<2019年7月22日から26日における東京23区の通勤者減少量 (単位: 人) とヒートマップ>
出典: KDDI × コロプラ「Location Trends」(注1)
<重点16エリアの通勤者減少量 (単位: 人) とヒートマップ>
出典: KDDI × コロプラ「Location Trends」(注1)
テレワーク利用促進のための介入として「テレワーク・デイズ2019」の認知度や利用意向に関するテレワーク利用意向の事前アンケートを実施し、アンケート実施有無、およびアンケート設問の違いによる介入効果の測定および検証も同期間に実施しました。
企業の環境整備などに加えて、事前アンケートにおいて社会的証明という心理効果 (注2) を活用することで、より一層のテレワーク利用促進が期待できることが分かりました。一例として、50代男性でアンケート実施なしの被験者と比較すると、アンケートを実施することにより約1.7倍の実施率となることに加えて、テレワーク・デイズ2019の認知についての設問のみの被験者と、実施への賛同・共感に関する設問にも回答した被験者の間には1.3倍の実施率向上効果があることが分かりました。
アンケート設問 | |||
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設問 | 2問版 | 5問版 | |
1 | テレワーク・デイズ2019を知っていますか? | ○ | ○ |
2 | テレワーク・デイズ2019の期間中にテレワークを利用したいですか? | ○ | ○ |
3 | テレワークという働き方に賛成ですか? | ○ | |
4 | 同僚はテレワークに関心があると思いますか? | ○ | |
5 | 同僚はテレワークという働き方に賛成だと思いますか? | ○ |
<介入有無によるテレワーク利用人数の増加比率の比較例>
同期間においてKDDIでは、昨年の約2倍、延べ約6,200名の社員がテレワーク・デイズに参加し、通勤混雑の緩和に貢献するとともに、テレワーク参加社員の約86%が「テレワークの働きやすさを実感した」、約90%が「1時間以上の時間を創出できた」と回答しており、今後もテレワークの有効性を活かした多様な働き方を推進していきます。
KDDIとKDDI総合研究所は、「通信とライフデザインの融合」を推進し、"ワクワクを提案し続ける会社"として、ビックデータ分析を通じ、新しい体験価値を創造していきます。