2018年3月20日
京都府、KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 田中 孝司、以下 KDDI)、au損害保険株式会社 (本社: 東京都渋谷区、代表取締役社長: 遠藤 隆興、以下 au損保) は、愛知工科大学 小塚一宏名誉・特任教授監修のもと、UNN関西学生報道連盟 (京都大学、同志社大学、立命館大学、京都女子大学他) の協力を得て、「ながらスマホ」をしながら自転車走行した場合の危険性を検証する実証実験を実施しました。
2018年2月24日に京都府庁において、京都府を含む関西在住の大学生11名を被験者として、スマートフォンのメッセージ画面を操作しながら自転車を走行した場合、スマートフォンに視線が集中することで、自転車ながらスマホの危険性にどの程度影響するか検証しました。
その結果、通常走行時と自転車ながらスマホ走行時では、下記 (1) (2) (3) に関して明確な差異があることが明らかになりました。
実証実験結果をまとめた動画はこちら
実証実験の詳細は別紙をご参照ください。
11名の被験者が視線計測装置を装着して、長さ50m、幅7mのエリアをスマートフォンのメッセージ画面を操作しながら自転車で走行した。途中、歩行者が横切るポイントを4カ所 (3カ所4人)、並行するポイントを4カ所 (左右2カ所ずつ) 設定した。
下記パターン1、2、3それぞれ1回ずつ、計33回の計測を実施したところ、9名の被験者から27例の有効な視野映像を得られた。
<パターン1>通常時
<パターン2>ながらスマホ使用時
<パターン3>ながらスマホ使用+イヤホン装着時
実験から得られた視野映像を元に、歩行者やスマホなどに対する目視の様子について、時系列変化を分析した。各対象にどの程度目を向けていたか、対象の種類別でまとめた。歩行者を注視する時間は、通常時と比較して、ながらスマホ使用時は23%、ながらスマホ使用+イヤホン装着時は22%にそれぞれ減少した。
27例の視野映像から注視項目分析を行い、歩行者とスマホ、その他の対象に対する目視の様子について、時系列で各対象にどの程度目を向けていたか、以下の対象の種類別に集計した。
被験者の目視行動の反応遅れの分析にあたり、3パターンでの運転中の目視の様子から、横切る歩行者の行動の変化に対し、その歩行者の目視に移る様子を調査した。その結果、目視にかかる時間は平均で、通常時1.00秒に対し、ながらスマホ使用時1.67秒、ながらスマホ使用+イヤホン装着時1.42秒と遅くなった。
視野映像内に映る歩行者の行動変化に対し、視線が歩行者に移動するまでの時間を被験者の目視行動の反応時間と捉え、通常時を基準として、ながらスマホ使用時、ながらスマホ使用+イヤホン装着時の時間の遅れを調べた。
調査対象とする歩行者の行動変化は以下の通り。
なお、視野映像上で同一歩行者の複数回の行動変化がある場合、被験者が最も接近した際の (視野映像内に映る各歩行者の最後の) 行動変化を集計対象とし、それより前の行動変化に対する目視は集計対象とはしなかった。行動変化に対し目視が行われなかった場合、見落としたものとして別途集計した。
(4. 自転車ながらスマホ時の歩行者の通行の見落としにて詳細を記載)
また、歩行者を目視している際に行動変化を生じた場合、目視されていても反応時間として得られないため、集計対象としていない。
3. における、行動変化に対する目視の分析に対し、目視の挙動が見られなかった場合を、見落としたものとして別途集計した。
横切る歩行者4名に対して視線が向けられなかった回数を、被験者9人で平均すると、通常時1.33回に対し、ながらスマホ使用時は2回、ながらスマホ使用+イヤホン装着時は1.56回となった。