本取組みにおける位置情報データの利活用フローは、以下の通りです。
[1] 位置情報ビッグデータをもとにした潜在観光スポットの洗い出し地図 (提供: 愛知県東三河総局)
[2] 観光スポットの属性相関図 (提供: 岐阜県)
[3] 観光スポットの来訪者宿泊転換図 (提供: 佐賀県)
[4] 抽出された観光スポットの人気周遊ルートランキング (提供: 兵庫県豊岡市)
▼兵庫県豊岡市 大交流課 谷口課長
これまでの「勘と経験」に頼った現状把握では限界を感じ、KDDIのビッグデータソリューションを導入しました。精緻なGPSデータで施設単位の分析ができるので、例えば、城下町出石と、その中にある市指定文化財の劇場芝居小屋「永楽館」では来訪者特徴や行動が異なることまで分かります。また、コロプラさんは実際に何度も現場に赴き、密に地域課題を共有しながら取り組んでくれるので、より使えるアウトプットが出てくるのが素晴らしいです。まだまだチャレンジの途中ですが、客観データを活用して地域全体を巻き込みながら、豊岡市全体を更に盛り上げていきたいです。
▼佐賀県文化スポーツ・交流局観光課 瀬戸副課長
佐賀県「観光の担い手」育成事業 (いわゆるDMO支援) の一環として、KDDIのビッグデータを活用した観光客の動態調査を実施しました。DMOの重要な要素の一つにマーケティングがありますが、マーケティング以前に、そもそも地域の現況を把握できる基礎的なデータすらない、という長年の課題がありました。今回、まずは県内全20市町 (153観光スポット) の分析を行い、また、分析結果を市町の担当者に説明する機会を設けたことで、客観的データに基づいた分析の重要性を共有できたものと考えており、今後、県内各地域において、観光客ニーズを的確にとらえた観光地域づくりが進むことを期待しています。
▼沖縄県石垣市 企画制作課 成底さま
ビッグデータを活用した観光動向等の調査は初めてでしたが、これまで正確な把握が困難だった市内周遊や八重山圏域の離島周遊の状況がはっきりと見える化され、市内観光スポットの磨き上げや二次交通など様々な課題が浮き彫りになりました。また訪日外国人についてもクルーズ船やLCCの乗り入れなどの交通事情により国籍別の観光動態において明らかな違いが見えるなど、参考となる多くの示唆が見つかりました。今回の調査結果を踏まえ、本市の観光戦略のみならず、防災対策への活用も検討しております。
▼公益財団法人 さんりく基金 DMO事業部 滝澤さま
三陸地域における来訪者の動態を明らかにするため、コロプラさんと連携し、携帯電話の位置情報ビッグデータを活用した観光動態調査を実施しました。これまで県内数カ所における聞き取り調査などは実施していましたが、地元住民や観光目的以外の来訪者が調査サンプルに含まれるなど、調査の精度の向上が課題でした。KDDIさんのデータはこれらの要素を除外できるほか、コロプラさんは多くの自治体の観光調査経験をお持ちで、安心してお任せすることができました。今後、本結果を活用し、三陸地域における観光まちづくりを促進していく予定です。