2024年9月5日
KDDI株式会社
KDDIは2024年9月5日、環境課題に取り組むスタートアップ企業への出資を行うKDDI Green Partners Fund(運営者:SBIインベストメント株式会社)を通じて、東京工業大学発のコア技術「半導体増感型熱利用発電(Semiconductor-Sensitized Thermal Cell、以下 STC)」を活用し、未利用熱のエネルギー変換を目指す株式会社elleThermo(所在地:東京都港区、代表取締役:生方 祥子、以下 elleThermo)に出資(以下 本出資)しました。
日本のエネルギー供給過程では、一次エネルギーの約6割が有効活用されずに未利用熱として排出されており、その経済的損失は年間約6兆円にのぼると言われています(注)。未利用熱を電気に変える技術はこれまで多くの研究が行われてきましたが、発電のために熱源と冷源を用意して温度差を発生させる必要があることや、大規模な設備が必要になることなどが課題でした。
elleThermoが開発するSTCは、冷源の用意が不要で、低温の未利用熱を電気に変換できる画期的な技術です。体温や室温、電子機器やモビリティから出る排熱など、これまで使い道のなかった熱を電気に変換することが期待されます。また設置方法も柔軟で、地中の積層や熱源への埋め込みが可能であり、省スペースでの設置が実現します。
KDDIは本出資により、自社の通信機器や電子機器から出る排熱を電気に変換する実証実験を実施し、STCのユースケース拡大と早期の社会実装を支援します。
KDDI Green Partners Fundでは、財務的リターンだけではなく、社会的・環境的なポジティブインパクトをもたらす「インパクト投資」を推進しています。本出資を検討する際にはGLIN Impact Capitalをアドバイザーとして、elleThermoの事業が生み出す社会的・環境的なインパクトを評価しました。elleThermoの事業が、未利用熱の活用による安全かつ安定した再生可能エネルギーの創出に寄与し、脱炭素社会の実現に貢献し得ることを確認できたため、本出資に至りました。
KDDIは、中期経営戦略の中心にサステナビリティ経営を位置づけ、社会課題の解決と社会の持続的な成長に貢献するサステナビリティ活動に取り組んでいます。本出資を通じて、elleThermoの技術の社会実装を支援し、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
株式会社elleThermoは安全・安心で、資源に頼らないエネルギー問題・資源問題の解決を目指しています。
そのために東京工業大学発のコア技術であるSTCを活用することで、室温以上の未利用排熱で電力を生み出し、限られたスペースを有効に活用できる安定した発電システムを世界に届けてまいります。
KDDI Green Partners Fundは、環境課題に取り組むスタートアップ企業への出資を行うコーポレートベンチャーキャピタルです。
GLIN Impact Capitalは、「経済成長と共に自律的に社会課題が解決される社会の実現」をミッションとして活動している、インパクト/ESGの企業変革支援を実施するプロフェッショナルファームです。