2019年6月1日
KDDI株式会社
株式会社KDDIエボルバ
株式会社ルートレック・ネットワークス
エコモット株式会社
東松島市
KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 髙橋 誠、以下 KDDI) は、宮城県東松島市野蒜地区で株式会社KDDIエボルバ (本社: 東京都新宿区、代表取締役社長: 中澤 雅己、以下 KDDIエボルバ) が運営する「幸 満つる 郷 KDDIエボルバ 野蒜 (のびる)」(注1) へ、IT活用による農作業の省力化および農産物の収量向上と味の向上を目的に、AI潅水施肥 (かんすいせひ) システム「ゼロアグリ」を導入します。また、農産物の生育状態を遠隔から動画にて把握することを目的に屋外クラウド録画パッケージと、圃場内の温度状況に応じて日射量を自動調整することを目的に遮光カーテンを導入します。
<AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」と関係者
(左から幸満つる郷 KDDIエボルバ 野蒜 稲葉所長、KDDIエボルバ 中澤社長、東松島市 渥美市長、KDDI地方創生支援室 福嶋マネージャー)>
<「ゼロアグリ」から点滴チューブを通して、水と肥料が供給されている様子>
<幸満つる郷 KDDIエボルバ 野蒜 ミニトマト圃場の様子>
<屋外クラウド録画パッケージ>
今回の農業IoTの導入は、宮城県東松島市 (市長: 渥美 巖、以下 東松島市)、KDDI、KDDI総合研究所とKDDIエボルバが、2018年11月30日にSDGs未来都市 (注2) の推進による地域活性化を目的とした協定 (以下 本協定) を締結した取り組みの一環です。
従来の栽培方法で作物に水や肥料を供給する場合、タイマーなどを使用する場合が多く、潅水・施肥の量やそれらを供給するタイミングは、生産者自身が判断して設定を行う必要があり、栽培には経験とノウハウが必要でした。
「ゼロアグリ」は、日射センサーと土壌センサーの情報を基に、作物の成長に合わせた必要な水の量をAIが算出・判断し、適切なタイミングで点滴チューブより自動で供給するため、潅水と施肥の作業時間を大幅に軽減します。さらに、土壌は常に最適な水分状態が保持され、作物にとってストレスの少ない環境を実現することにより、従来の慣行栽培と比べ収量・品質の向上と省力化および水・肥料の削減につながります。
また、農産物の生育を映像として記録する屋外クラウド録画パッケージを導入します。撮影された動画はau 4G LTE回線を通じて「KDDI IoTクラウド Standard」に保存され、スマートフォンやパソコン、タブレットからリアルタイムの閲覧や、過去30日間の映像の確認も可能です。
さらに、圃場 (ビニールハウス) の日射量を調整することを目的に、圃場内の温度に応じて自動で開閉する遮光カーテンも導入します。
今後も、東松島市とKDDIグループは、相互連携と協働による活動を推進し、5Gを見据えたICTをはじめとする資源を有効に活用していくことで、東松島市のSDGs未来都市を推進し地域活性化を図っていきます。
詳細は別紙をご参照ください。
<参考>
東松島市とKDDIグループ、地域活性化を目的とした連携に関する協定を締結 (2018年11月30日)
日射・土壌センサーで取得した情報を基に、AIが自動で潅水施肥管理を行うシステムです。日々の天候と作物の成長に合わせて潅水施肥の供給量 (培養液の供給量) を決定するため、肥料の利用効率が高く、環境に優しい栽培システムが構築可能です。加えて、作物の安定した品質と収量を図り、潅水施肥の作業時間を大幅に低減します。
<ゼロアグリ全体概要>
株式会社ルートレック・ネットワークス (本社: 神奈川県川崎市、代表取締役社長: 佐々木 伸一)
遠隔地からネットワークカメラの映像を通し、農産物の生育状態を動画で確認可能です。遠隔でカメラの操作が可能なことにより、視点を移動して圃場全体の確認ができます。また、過去30日間のアーカイブ動画の閲覧も可能です。
圃場のリアルタイム監視により、農産物の生育状況をきめ細やかに確認できるとともに、「ゼロアグリ」導入効果 (収量向上など) をアーカイブ動画の活用により目視でも確認が可能です。
<屋外クラウド録画パッケージ>
エコモット株式会社 (本社: 北海道札幌市、代表取締役: 入澤 拓也)
KDDI: 通信環境、クラウドサーバーの提供
KDDIエボルバ: 実証機器の調達と実証フィールドの提供、およびIoT導入による効果検証
ルートレック・ネットワークス: AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」の提供および技術サポート
エコモット: 屋外クラウド録画パッケージの提供
東松島市: 市内関係者との調整、広報やPR活動